Home > 2019年版・今年出会った花ベスト集 > オナガカンアオイ(宮本)


 この1年にみなさんがご自分で撮影された花の中から、
「今年出会った花ベスト1(3まで)」を選んでくださいました。
 一覧表はこちらで見ることができます。
連載開始は2019年11月15日です。

1月13日からはわたし(宮本)の写真を紹介しています。

1つ目はオナガカンアオイです。


オナガカンアオイ

オナガカンアオイ(4月14日)

 植物の観察を始めたころ、植物図鑑をパラパラとめくりながら、カンアオイの仲間の種類の多さや、さまざまな形や色の花に強く興味をひかれたものでした。この仲間は分布が極限的なものが多く、カギガタアオイズソウカンアオイなど、希少な種類も含め、当時は関東周辺に分布するものを訪ね歩いたのですが、西日本のカンアオイはほとんど手つかずでした。
 長崎で暮らすようになり、アソサイシンキンチャクアオイなど、九州のカンアオイを見る機会は増えましたが、こちらに来たからにはぜひ、と思っていたのがオナガカンアオイです。おそらく日本に自生する奇妙な花ベスト3にも入るだろう、特徴的な花の実物を目の当たりにしようと思いつつ、東九州は遠い地とあって、この願いがかなったのは3年目の春のことでした。ムチのように長く伸びた萼裂片は、やわらかいのと思いきや意外と硬く、撮影時も折れないようにと細心の注意を払いながらとなりました。