Home > 2020年版・今年出会った花ベスト集 > ケイワタバコ(宮本)


 この1年にみなさんがご自分で撮影された花の中から、
「今年出会った花ベスト1(3まで)」を選んでくださいました。
 一覧表はこちらで見ることができます。
連載開始は2020年11月20日です。

1月21日からはわたし(宮本)の写真を紹介しています。

1つ目はケイワタバコです。


ケイワタバコ


ケイワタバコ(6月6日)

わたしの地元エリアの1つである鎌倉市を代表する野生の植物といえば、真っ先に挙がるのがケイワタバコでしょう。イワタバコの変種で、花柄や萼片に直立する毛が多く生えるほか、真夏に咲くイワタバコよりも明らかに花期が早く、鎌倉では5月下旬には咲きはじめます。また、葉は左右非対称で葉柄が短く、葉脈に沿って著しく窪むため、皺のように見えるのも母種とのちがいです。三方を山で囲まれた鎌倉だけに崖地も多く、切通周辺のこうした環境では、ケイワタバコをよく目にします。
散在ヶ池は「鎌倉アルプス」と呼ばれる山々の北側にあり、もともとは農業灌漑用につくられたため池で、「鎌倉湖」という通称があります。ハイキングコースも設けられていて、沢すじの崖ではケイワタバコを観察できます。4年ぶりに神奈川県で迎えた初夏、ひさびさにこの地を訪ねてみると、夏鳥のさえずりが聞こえる谷間で、イワタバコの群落が満開となっていました。