Home > 2016年版・今年出会った花ベスト集 > アソヒカゲスミレ(宮本)


 この1年にみなさんがご自分で撮影された花の中から、
「今年出会った花ベスト1(3まで)」を選んでくださいました。
 一覧表はこちらで見ることができます。
連載開始は2016年11月18日です。

1月20日からはわたし(宮本)の写真を紹介しています。

1つめはアソヒカゲスミレです。


アソヒカゲスミレ

アソヒカゲスミレ(4月10日)

わたしにとって2016年は、高山に足を向けられなかったかわりに、長年の懸案だった希少な植物を見る機会に恵まれた年となりました。
初めて訪ねた春の阿蘇では、キスミレの大群落やフイリナガバノスミレサイシンなど、この地域ならではのスミレを多く目の当たりにしました。なかでも、ひょうたん形の茶色い葉がおもしろく、ずっと前から見てみたいと思っていたのがアソヒカゲスミレです。
「原色日本のスミレ」(誠文堂新光社)に掲載された精密画でその存在を知ってから、もう20数年が経つでしょうか。文献などの情報からおおよその生育エリアを推測し、空港を降り立ってまず向かった山すそのスギ林下で、特徴的な葉をつけたこのスミレが点々と生えているのを見つけたときは、うれしいというより、ホッとひと安心しました。
この日から1週間も経たずに、現地は地震で大きな被害を受けました。農業をはじめとした地域の一日も早い復旧・復興を願ってやみません。